【ネタバレ注意】映画「君の名は。」、ラストシーン直前での三葉と瀧の足取りを検討

映画「君の名は。」

ラストシーンは、主人公の三葉と瀧が再開して、名前が思い出せなくなっている2人が同時に名前を聞くために「君の名は。」と発するところで終わりますね。

ラストシーン考

電車でのすれ違い

ラストシーンでは、すれ違う電車の窓からお互いを認識して、電車から下りて彷徨って、須賀神社の階段で再会します。

 地の利に詳しくないと理解できない部分(地の利に詳しくない人は気にしないかもしれないけど)を少々解説。

 電車がすれ違った場所は、JR中央線の代々木駅から千駄ヶ谷駅の間。
 三葉が乗っているのは、中央線各駅停車を新宿から千葉方面に向かう電車。次の千駄ヶ谷駅で駆け下りていることからも、これは間違いない。

 映画では、お互い認識しあえるほど長い時間のように思えたので、並走する中央線各駅停車と中央線快速だと思いました。
 実際に、ラッシュ時間帯だと、前に電車が使えていて快速がチンタラ走っていることが多く、中央線各駅停車と中央線快速の電車が並走して、線路一つ分の間は空きますが客同士の顔がお互いに見えるものです。

 ですが、そうだとすると瀧の乗っている中央線快速の次の停車駅は四ツ谷駅。それに乗っている人を追いかけるために三葉が千駄ヶ谷駅で下りてしまうことはあり得ないですよね。

 3回映画を見直して整理した結論は、

  • 三葉が乗っているのは、中央線各駅停車を新宿から千葉方面に向かう電車。
  • 瀧が乗っているのは、中央線快速の新宿方面に向かう電車。

映画に出てくる電車と電車の距離感もすぐとなりなので納得できます。
 でも実際なら、いくらチンタラ電車が走っているときでも、対向する電車で乗客同士の顔は見えません。
 映画の設定から、2人の間の「特別な結び」が気づかせたのでしょうかね。


追いかけて彷徨う

この後、三葉と瀧は慌てて乗っていた電車からおります。

  • 三葉は、中央線各駅停車千葉方面行きなので、千駄ヶ谷駅
  • 瀧は、中央線快速立川方面行きなので新宿駅

で下車したようです。

三葉は千駄ヶ谷駅の改札を出ているカット、瀧は新宿駅南口前に立つカットが続きますからね、これでいいでしょう。

 それから数カット、
 ・瀧は、新宿駅南口、JR信濃町駅前、四ッ谷4丁目交差点、円通寺坂を経て、須賀神社の階段の下側に到着
 ・三葉は、千駄ヶ谷駅で下車して、JR信濃町駅前跨線橋上、須賀神社入口交差点を経て、須賀神社の階段の上側に到着
ここで2人は再会を果たします。
(朱書きは、公式ビジュアルガイドを見て修正した部分)

四ッ谷4丁目交差点を西向きに眺めたところ
四ッ谷4丁目交差点を西向きに眺めたところ

JR信濃町駅前の跨線橋から代々木方向を見たもの。
瀧が須賀神社に行く途中に通過した円通寺坂付近
円通寺坂付近にある郵便ポスト。これも映画に登場

三葉が通過したカットに登場した、須賀神社入口交差点




地図にまとめた

動きをまとめると下の地図のとおりか?
映画「君の名は。」ラストシーンへの2人の足取り
映画「君の名は。」ラストシーンへの2人の足取り


【追記】小説版を読んでみました。

「併走する電車の中に、あの人が乗っている。」
「ほんの1メートルほど先に、彼女がいる。」
とあります。

なので上の仮定は間違っているのか。
それとも、映画と小説との違いなのか?

「並走している」なら、中央線快速(新宿方面行)と中央線各駅停車(新宿方面行)になります。
「そして別の電車が俺たちの間に滑り込み」
とあるのは、この間に走る中央線各駅停車の千葉方面行きの電車のことでしょう。
ただ、この間には中央線各駅停車の千葉方面行きの線路があるので、「ほんの1メートルほど先」まで近づくことはないのですが・・・。「1メートル」は主観の問題として、これくらい近くに見えたということで理解しますか。

三葉さんは、千駄ヶ谷駅で下りているので、気づいたのは、千駄ヶ谷駅と信濃町駅の間ということになります。

そして、瀧くんは次の停車駅である新宿駅で下車して、中央線各駅停車で東に向かった・・・。これは納得できます。
でも、次のカットは信濃町駅まで行っちゃってる。行き過ぎでしょ? 

さらに謎なのは三葉ちゃん行動。
千駄ヶ谷駅で下車するのは謎ですね。併走する電車は、新宿まで行くことがわかっているはずですから、千駄ヶ谷駅で降りちゃったら会えないでしょ。
それから、須賀神社って、逆向きの方向にあるし・・・。
併走する電車で瀧を見つけて、慌てて次の駅で降りて反対に走ったか?

もう少し考察が必要ですね。

【さらに追記】公式ビジュアルガイドを見てみた。

公式ビジュアルガイドには、
「逆方向にすれ違っていく電車の中に「あの人」がいた。」
と書かれています。

ということは、小説では「併走」ですが「映画ではやはり、電車はすれ違ったのですね。」

公式ビジュアルガイドP46にあるカットを見てみると
信濃町駅前の跨線橋のところを走っているのは、瀧君ではなくて三葉さん。
四ッ谷4丁目交差点のカットもあります。どちらが通過したのかわかりませんが、たぶん瀧くんでしょう。


その他

映画館で観ただけなので、ビデオのように「戻してもう一度」ってできないので、細かな確認はできていないところがあります。
判る人コメント求む。


togetter
【随時更新】「君の名は。」聖地巡礼した人の映画アングルとの被り方がすごい
大いに参考にさせていただきました。

リンク


映画「君の名は。」糸守町関連の聖地

宮水三葉の住んでいる田舎(糸守町)は架空の町

実在の東京に対して、宮水三葉が住む糸守町は岐阜県飛騨にある架空の町

立花瀧が宮水三葉を訪ねて行く途中の名古屋駅や、JR高山線までは実在の場所を忠実に描いているなとは思いました。

しかし、肝心の糸守町の参考にした場所がどこかは、さすがにそこに住んでいないのでなんともわからない。
きっと、ネットにアップされる大勢の知恵(集合知)が解決してくれるでしょう。

新海誠監督はインタビューで「みんながイメージする共通の田舎にしたかったので、糸守町の具体的なモデルはない。」と言われているそうです。

でも、新海誠監督が生まれ育った小梅町には、映画で登場する「新沢地区」があったり、「有坂電機製作所」という映画の背景に登場するのと同名の会社が存在していたりするそうです。
やはり、田舎の雰囲気は、新海誠監督の生まれ故郷が大いに参考にされているでしょう。

出展「「君の名は。」聖地は小海町と判明!新海誠をwikiより一部詳しく長野地元民が解説!! 


【追記】瀧が三葉を訪ねて行った時に到着した駅のモデルはJR東海高山本線の「飛騨古川駅」だそうです。

飛騨古川駅は「聖地」として有名になってますね。
  • ホームに特急列車が止まっているシーン。
  • 駅前のタクシー乗り場で瀧が運転手さんに訪ねているシーン。
  • 奥寺先輩と司君が、飛騨牛のマスコットと遊んでいるシーン。
がここがモチーフのようですから。

出展:「新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」の舞台となった東京都と岐阜県飛騨市の聖地を観光!

【追記】三葉が瀧を訪ねて東京に行くときに乗った駅のモデル

秋田内陸縦貫鉄道と前田南駅との説が有力です。
写真を見ても、ほぼ間違いないたろうと思います。
参考URL「君の名は。プチ聖地巡礼、及び秋田県の前田南駅が聖地である説の提唱


【追記】上諏訪市立石公園

長野県上諏訪市の立石公園。湖を見下ろす場のモデルとされているらしい。
参考URL「「君の名は。」モデルの公園、滑り台で骨折2件」(読売新聞2016/09/22)

【追記】宮水神社の御神体の場所のモデル

一体どこなんでしょうね。
ネットでは、伊豆諸島の南端、青ヶ島が似ているという情報もあります。Wikipediaの青ヶ島のページにはなんだか似た感じの写真があります。
私は、八丈島に行ったことがあるのですけど、八丈島も火口が同じように木に覆われて、神社があります。

八丈島、八丈富士の頂上付近

映画「君の名は。」の階段のシーンの場所(須賀神社)に行ってみた。

この週末から公開される新海誠監督の最新作『君の名は。』という映画

試写会に当選したので先週一足お先に観てきました。


『転校生』という映画

男女が入れ替わるというネタでは、1982年(昭和57年)公開された大林宣彦さん監督の『転校生』なんて映画を思い出します。

映画『転校生』では、男女が入れ替わった「騒動」をコミカルに描いて、元の戻って解決でおしまいという、言ってしまえば簡単な内容でした。


『君の名は。』は中身が濃いです。

男女の入れ替わりネタの映画なんて、まあこんなものかなと思ってましたが、「君の名は。」は全然違いますね。

ストーリーがもっと複雑で中身が深いです。

男女の入れ替わり騒動もコミカルに描かれていますが、それは物語の導入。
戻ってたり、入れ替わったりが繰り返されるので、「元に戻って解決」なんて単純なものではありません。

映画は、1200年に一度訪れるという彗星が地球の近くにやってきて、その一部が隕石として落下するシーンから始まります。
この彗星が、重要なストーリー展開に絡むのですが、それは映画を見てのお楽しみとして内緒。
綺麗な彗星が夢を叶えるなんてロマンチックな単純なものでもなく、「えっ、シャークネード(*)のエンディングか」と思わせられるほどのびっくりする展開をみせ、結構泣けます。
コメディ映画じゃないので、ストーリーは結末まで綺麗にまとまっていきます。

男女間での身体の入れ替わりという「あり得ない」現象から、「あり得るけど確率少ないよねぇ」という展開、そして「あり得るよね、あったらいいよね」という結末。
このホットする結末が人を惹き付けるのでしょう。

都会は実在の東京を忠実に

四ッ谷須賀神社の階段

この映画は、男の子が住んでいる都会としては、新宿、四ツ谷、代々木、信濃町、渋谷を中心に東京の実在の場所が結構きれいに忠実に描かれているので、東京が分かる人には「あ、そこそこ」と馴染みのある場面が随所に登場。とても綺麗に、忠実に描かれています。

で、写真はフライヤーにもなっているこの場所、アニメなのでロケ地というのは変ですが、この映画での重要なシーンの場所となったところです。


映画「君の名は。」の階段シーンの場所 須賀神社表参道です
これを撮ったのは、試写会直後で、映画公開前。なので誰も居ません。

映画「君の名は。」のフライヤーに掲載されている絵
(上の写真の現場を説明するために著作権法32条により引用させていただきました。)

ここがどこかというと、四ッ谷の須賀神社の参道の階段です。
映画本編にも「須賀神社」の文字は見えますし、エンドロールにも須賀神社が書かれていますので、ここがモデルになったのは間違いない。

下から見るとこんな感じ。
映画「君の名は。」の階段シーンの場所 須賀神社表参道を下から見たところ。

2016/09/18撮影した須賀神社の参道階段
映画公開後は案の定、聖地化していました。
雨なのに沢山の人が来ています。


四谷須賀神社です。
四谷須賀神社の階段をパノラマで
三葉が通過した須賀神社入口交差点

須賀神社入口の写真を撮ったところにこんな自動販売機がありました。
聖地巡礼で近隣住民方々にはご迷惑を掛けているので、ここでジュースを買いました。



聖地を巡礼したいという人のために詳しい道順
場所は、四ツ谷駅から新宿通りを西に、東京メトロ四谷三丁目駅からなら新宿通りを東に進んで、四ッ谷二丁目交差点を南に曲がります。角にはローソンストア100があります。
まっすぐ進むこと100mもすれば見えてきます。四ッ谷二丁目交差点からは約280m


四ッ谷二丁目交差点のローソンストア100 この角を曲がって300m弱の場所にあります。
Google Mapで表示

スマホで地図を表示すれば行けるでしょう。
最短コースで考えると、地下鉄四谷三丁目駅が最寄り駅で500m強。
次に近いのがJR信濃町駅で600m強。
そしてJR、地下鉄四ッ谷駅からは800~900mというところ。

ちなみに、フライヤーでは、背景に六本木ヒルズなどが見えていますが、実際にはこの階段は北向きに下ります。
そもそも高台にある場所ではないので見晴らしは悪かった。階段が窪地に下っているだけで、すぐに上り坂。 見晴らしが良ければ、この背景方向に見えるのは、、、、

この場所を南からみたところ。方角としては、階段を上から下に見る方向。道路の先にある木があるところが「現場」です。遠方真正面に見えるのが、防衛省の通信用電波塔だと思う。

防衛省の通信塔でした(泣)。これじゃロマンチックな絵にはならないわなぁ。

ちなみに、この電波塔は、四ツ谷駅での待ち合わせシーンの背景には、キチンと描かれていました。

信濃町駅前の歩道橋

映画内で、主人公の瀧、三葉、そして奥寺先輩が電話をかけるシーンで使われている歩道橋。

 やはり映画公開後は、こんなタダの歩道橋でさえも聖地化しています。

信濃町駅前の歩道橋

 どーも、後ろの建物が気に入らない。

聖地となった信濃町駅前の歩道橋。邪魔な背景を抹殺。



場所はJR信濃町駅の南側すぐのところにある歩道橋です。

脚注

* シャークネード:2013年のアメリカ合衆国のサメが嵐になって降り注いで襲ってくるいう、100%コメディのテレビ映画。
このエンディングが、コメディじゃなきゃ、悲しすぎる、アット驚くほどエグいっ。
シャークネードをWikipediaで



【ネタバレ注意】ストーリー構成から考える「君の名は。」の魅力

全体のエピソードをごく簡単にまとめると
  • 男女間の人格の入れ替わりが発生・・・あり得ないこと
  • 彗星の一部が隕石となって落下。死亡・・・あり得るけど、滅多に起きると思わないこと。
  • 消えてしまった。でも、潜在意識に残っている記憶から湧き起こる出会い・・・「一目惚れ」とか、現実にあるよねぇ。有っていいよね。それっていいよねぇ。
と、あり得ないことから、あり得ること、そして、有っていいよねということ、と、だんだん現実に迫ってくるのですね。

あり得ないだけで終わってしまったら、遠いおとぎ話。
でも、これは違う。

歴史の辻褄を合わせるためか、因果律を満たすためか、消えてしまう確かな記憶。
でも、すべては消えてなくて、かすかに残っている「感覚」

三葉と瀧が大人になったシーンでは、こんな感じ。
これだったら、現実に誰でも持っていても良いようなもの。
そして、近くまで行きながら、何度もすれ違って出会えない。

映画に登場している2人は気づかないのに、見ている観客はまるで神様視線のように判っている。
だから、「ああっ、そこ、それに気づいて」という気分になってくる。

そして、ようやく出会える二人。
見ている全て人がほっとする瞬間で終わる。

見事だよね。 男女の入れ替わる、あり得ない。から 隕石の衝突から町の人を救う。。。かなりスーパーマン的で、自分に重ならない大きな行動に展開して、 そして、「一目惚れ」するように出会う二人を見せて、観客に一気に近づいてくる。 この観客の心理を巧みについたストーリー構成がまったくもって素晴らしい。

【ネタバレ注意】映画「君の名は。」観たけどイマイチ意味がわからなかった人のために解説

この映画は、流れていく時間が複数あり、さらに戻ったりするから、解りにくいかもしれません。

時間軸

冒頭

最初のタイトル曲「夢灯籠」が流れるまでは
2021年から2022年頃
  • 立花瀧が23歳頃
  • 宮水三葉が26歳頃

ふたりとも東京で暮らしているシーンです。

2人がすれ違いながら出会わず、
「誰かを探しているような気がする」
この気持は「こんなことがあったから」
と回想のように本編の時代に物語は続いていきます。

本編の時代

ここでは、2つの時間が平行して流れます。

立花瀧と宮水三葉の年齢はふたりとも同じ17歳の高校2年生

解りやすく並べると
  • 宮水三葉の住む糸守町は2013年
  • 立花瀧の住む東京は2016年

結びの時期

再び冒頭と同じ年代に戻ります。
2021年から2022年頃
  • 立花瀧が23歳頃
  • 宮水三葉が26歳頃

ふたりとも東京で暮らしていて、再会するまで。


本編の時代の詳説

大きな流れ

2人の入り変わりが始まり

同じ17歳の高校2年生の立花瀧と宮水三葉

でも生きている時間と場所が違う2人が、目覚めると寝るまでの1日中中身が入れ替わる。
入れ替わりは、1日単位で、ランダムに週に2、3度の頻度で発生する。


メールや電話は通じない

2016年の立花瀧が電話やメールをしても、宮水三葉の電話もメール無いから通じないということになりますね。
2013年の宮水三葉から電話やメールをしても、2013年の立花瀧はまだ三葉のことを知らないので、「知らない人からの電話とかメール」ということになっちゃいますね。


このように時間が違っているから、お互いにメールとか電話ではコミュニケーションを取ることができない。

コミュニケーションは、それぞれのスマホに日記として書き込んだり、ノートに書き込んだり、腕や顔への落書きで行いました。


彗星事故で三葉が無くなったので入れ替わり終了

そして、2013年10月4日に糸守町に彗星の一部が落下して、宮水三葉は亡くなります。

2013年10月4日の彗星の落下で三葉が亡くなった後は、入れ替わる片方が無くなったので、入れ替わりが起きなくなります。


糸守町を訪問

居ても立ってもいられなくなった立花瀧が、記憶から書き起こした風景画を頼りに三葉を訪ねると、彗星の落下で消滅した糸守町、被害者名簿にある宮水三葉の名前を見つけてしまいます。


時間よ戻れ、そして

時間がずれて入れ替わっていたことに気づいた立花瀧は、宮水神社の御神体に備えられた口噛み酒を飲めば、三葉との「結び」が再現してもう一度、彗星落下の前の時間の三葉と入れ替われるのではとチャレンジします。

そして、彗星落下の当日の朝の三葉との入れ替わりに成功し、三葉と糸守町のみんなを救うために奔走します。
でも、入れ替わっている「偽物の宮水三葉では駄目だ」と悟った立花瀧(身体は三葉)は、自分の身体がある御神体のところまで三葉(身体は立花瀧)に会いに行きます。

ただし、御神体のところにある身体と時間はこんな関係
  • 2016年11月ころ 御神体のところに立花瀧の身体(中身は宮水三葉)
  • 2013年10月4日 御神体のところに宮水三葉の身体(中身は立花瀧)

これでは、会うことはできません。

でも、夕暮れの「かたはれ時」の奇跡が時間を超えて2人を直接合わせてくれました。
ここで感激の再会
心と身体の入れ替わりが元に戻ります。
そして、住民の避難計画を引き継いだ三葉が、町長である父の元に避難指示を出すように交渉に行く。


この後、気づくと瀧はなぜここ(御神体のところ)にいるかさえわからなくなっていました。
そして時が流れます。


時系列に細かく整理

時系列を整理しようとすると、2013年の糸守町の時間(三葉時間)は彗星落下のニュースなどで10月4日を中心に特定できます。でも、2016年の日付って、一体何月何日なのか特定する手がかりかないのですよね。とりあえずデートの日を2016年D日とします。
【追記】広告動画のスマホ画面の解析から、2人は2013年と2016年の同じ日に入れ替わっていましたので修正。
【参考】映画「君の名は。」トリビア。スマホ画面解析。入れ替わった日は同じ日

小説 君の名は。 (角川文庫) で、三葉が最初(入れ替わりとしては2回目以降のはず)に瀧のスマホの日記を読んでいるところでは、9/7の書き込みがあるのでこれ以降に入れ替わりが始まったのだと推測できます。

【追記】広告動画のスマホ画面には、9月5日が東京生活、ど田舎生活の始まり日でした。
とすると、映画での設定と小説での設定が矛盾していることになります。

  • 三葉が最初に日記を書いたのが9月5日とする。
  • 「こんな生活いやや」と石段のところで叫んだ日=豊穣祭の日の次の日に入れ替わりのときに初めて日記を書いていた。

この2つから豊穣祭の日は9月4日
三葉が糸守高校で「昨日は変やったよ」と言われた日=豊穣祭の日
(小説版では、テッシーと早耶香から別れたときに「私はこれから不幸な夜のお務めだけど」と書かれている。映画でも同じ設定だと仮定)
そして、この「昨日は変やったよ」の昨日は9月3日。これが第1回目の入れ替わり。


隕石落下前後を時系列で詳しく

映画「君の名は。」隕石落下前後の身体と意識の入れ替わり図

2013年10月4日の衛星落下の日に、三葉の身体は2回生きたことになります。
1回目は三葉の身体に三葉が居て、2回目の前半は三葉の身体に瀧が居ます。
2回目がこの日の時点で意識が入れ替わってしまったのなら、三葉の意識は隕石落下を体験していないことになるので、物語の辻褄が合いません。

いろいろ考えて整理したのが上の図です。
口噛み酒を飲んだ瀧の意識は、2013年10月4日の朝の三葉の身体に入り、空になった瀧の身体に、隕石落下直前の三葉の心が入ったと考えれば納得できました。

以下に詳しく説明。

(2016年10月2日(日))三葉時間2013年10月2日(水)

最後の入れ替わり。
「東京生活10」という日記を三葉が瀧のスマホに残しているので、入れ替わりは10回くらいあったと推測。ただ、最初の数回は入れ替わりに気づいていない可能性あり。
三葉(身体は瀧)が、奥寺先輩とデートの約束


(2016年10日3日(月))三葉時間2013年10月3日(木)

瀧と奥寺先輩がデート
【追記】瀧くんは、高校2年生なのに、学校をサボって奥寺先輩とデートしたことになるのでしょうか?

三葉が瀧に会うために東京に来る。
小説 君の名は。 (角川文庫) にで三葉ちゃんが瀧君に会いに東京に行ったシーンの描写に
街頭テレビには『ティアマト彗星・明日最接近』の文字
というのがあります。なので、この日は10月3日で確定ですね。

そして、2013年(中学2年生)の瀧に出会って組紐を渡す。
でも、この時の瀧はまだ三葉のことを知らないので「お前、誰?」と言う。
三葉はショックで帰ったあと、おばあちゃんの一葉に頼んで髪を切ってもらう。

(2016年10月4日(火))三葉時間2013年10月4日(金)

三葉なんとなく学校をサボる。夕方、テッシーが電話で三葉を祭りに誘う。
髪を切った三葉が浴衣姿でテッシーと早耶香の前に現れてびっくり。
そして、3人で彗星見物。20時42分そこに彗星が落下


(2016年10日3日(月)+3週間くらい後の金曜日)

瀧+奥寺先輩+司の3人が糸守町に。
そして、三葉が3年前になくなったことを知る。


(2016年10日3日(月)+3週間くらい後の土曜日)三葉時間、再演2013年10月4日(金)

瀧が御神体で口噛み酒を飲んで、三葉時間2013年10月4日(金)の三葉と入れ替わり
瀧(身体は三葉)が、学校に行って避難を呼びかける。
テッシーと早耶香と3人でで強引な避難作戦
瀧(身体は三葉)が、町長に避難指示の説得。これは失敗。

御神体のところで、瀧の身体に入って気づいた三葉は、糸守町がクレーターになって無くなっていることに気づき「あの時、死んだんだ」と気づく。
でも、この時の三葉は、10月4日夜の彗星落下に遭遇していないので「あの時」は経験してないはずだが・・・。細かいことは気にせずに感動しようね。
【追記】上に描いた意識の入れ替わり図のように考えると、すぐ上の見え消しの疑問は解決。

御神体のところで、カタハレ時に瀧と三葉が会う。
入れ替わり解消。
三葉(中身も三葉)が町長のところに
(そして、その後の記事などから、避難がされたことがわかる)


結びの時期

本編の時期から5年後
高校生だった立花瀧は大学4年生になり、就職活動をしています。

何故か気になる糸守町の彗星災害の記事を読み返すシーンで
「偶然にも街をあげての避難訓練をしていたので奇跡的に住民のほとんどが無事」
ということがわかります。
立花瀧や宮水三葉の活躍が街の人を救ったのですね。
でも、瀧にはその記憶がありません。

立花瀧や宮水三葉は何度か街ですれ違い、何かを感じながらも会うことができません。
その間にも、テッシーと早耶香にすれ違ったり、ローソンでバイトをする糸守高校の悪口少年たち、牛丼を食べている糸守高校の悪口少女、高校生になった四葉などのカットが出で、「みんな無事」だとわかります。

そして、最後、季節が変わり、瀧も社会人となって通勤。
すれ違う電車でお互いを認識して、無事出会うところで物語は終わります。


感想(ネタバレなし)

もともと、アニメなど観ないし、新海誠監督の名前も知らず、もちろん前作も知らない。
『男女の入れ替わり』とかをモチーフにした映画っていろいろあるよね~。
試写会に当たったし、息子が一緒に行こうというので見にきました。
「暇になったら寝てよう」
という軽いつもり見始めた。

  • 絵が綺麗だね。
  • 街とか風景とか、とても丁寧に描いてるなぁ。

と、あっという間に関心の領域。

で、
へぇ、入れ替わったり、戻ったりすのか
これまでよくあった入れ替わりものは、一言でいえば、「入れ替わってドタバタがあり、戻って解決」と言うパターン。

それが、物語の冒頭から、入れ替わったり戻ったりする。
「一体どういう展開なんだろう。」

と、ちょっとストーリーにも興味が向いてくる。


それから、ストーリーはネタバレなしに書くとすれば、一言っ「えっ」という表現といかいいようにない展開。
ここで、そーしちゃうのですか?
あまりにも可哀想じゃない、それっ

観ていない人は、是非、ネタバレなしで観てもらいたいので、ここではネタバレなし表現で抽象的にしか書きませんが、展開があまりにも可哀想というか、ものすごい虚無感

もちろん、これで終わってしまっては、誰もが「良かった」とか「感動した」という感想は残さない。
展開があります。

結局、試写会、お金を払って妻と2人で2回目、仕事帰りに1人で内緒で3回目と観ました。
何回も観ようと思えるのだから、ネタバレしてても、良い映画なんですけどね

3回観て、普通の映画と違うなぁと思うのは、
エンドロールの途中でほとんど帰る人が居ないのです。
映画の最後の「ホッとした安堵感」に浸っているでしょうね。

アラ50オヤジと映画「君の名は。」の出会いと自己紹介兼ねて

この年代の人間なので、自らすすんでアニメなど観ません。

アニメを観るきっかけは、ほとんど高校生の息子からの影響か、過去のものをいきなり思い出したリバイバルくらい。

例えば

  • 亜人・・・息子に「一緒に映画に行こう。」と連れて行かれ、映画館で初めてアニメと知る。死なない人間という設定が好きで結構ハマってます。
  • 寄生獣・・・これは、昔、漫画で全巻読んでハマったので、リバイバル系ですね。

んで、映画「君の名は。」は、試写会に当たったから家族で見に行った。(「観に」じゃなくて「見に」)

観るまで、
  • そもそも新海誠監督なんて知らないから、事前期待はなし。
  • 「『男女の入れ替わり』なんて、よくある設定じゃん」と、あまり興味もなし。
という、興味ほぼゼロから、観てみて評価は激変

凄いぞっ! この映画っ!

高校生から20代が登場人分の物語だ。
だから映画の登場人物の中心と同じ10代、20代の人は、よく思えて当たり前。
そして、あら50のオヤジでも良いと思うのだから、その中間の30代でも40代でも、それぞれの世代の感覚でよいと思える映画だと思う。

自己紹介的なことは、

  • 一応、理系人間でございます。←博士号は持ってます。
  • 理屈っぽく考えるのが好きです。
  • 解説書は1日200ページ読めますが、小説を読むなど苦手です。
  • 恋愛もの、メロドラマ・・・うーん、波長が合いません。
  • アクション物、戦闘ものの映画・・・よく観ます。

とな、こんな感じの者が映画「君の名は。」に出会ったので、いろいろミニサイト的にまとめておきます。